Jul 13, 2010

パワーで幸運効果

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 オリンパスは8日、不透明さを指摘されていた過去の買収案件が、有価証券への投資で生じた損失を解消するために使われ、損失の計上を1990年代ごろから先送りしていたと発表した。粉飾決算は長期にわたる可能性が高く、上場廃止は避けられない情勢。マイケル・ウッドフォード元社長の解任で幕を開けた騒動は、巨額の不正経理発覚にまで発展した。一方、オリンパスが英領ケイマン諸島の投資ファンドを使い、損失穴埋め資金を捻出していたことが、フジサンケイビジネスアイが入手した内部資料などで分かった。

 ◆副社長を解任

 東京都内で8日会見した高山修一社長は「10月27日の会見では資金の流れは適切と申していたが、新事実が判明して、大変申し訳ない」と陳謝し、損失隠しの責任者は菊川剛前会長兼社長と森久志副社長、山田秀雄常勤監査役の3人と指摘。森氏は同日付で解任、山田秀雄常勤監査役は辞任の意向を表明した。自身の責任について、高山社長は「全く知らなかった」と強調し、続投の考えを示した。

 計上を先送りした損失額は現段階では不明としたうえで、高山社長は「(菊川氏は)違法性の認識はあったと思う」と話し、3人に対する刑事告発は「必要ならば考える」とした。

 損失隠しは、1日に設置した弁護士らで構成する第三者委員会の調査過程で判明。複数のファンドを通じるなどの手法で含み損を解消していた。

 損失補填(ほてん)に充てられたのは、英医療機器会社「ジャイラス」の買収で助言会社に支払った計約660億円と、廃棄物リサイクル事業を展開する「アルティス」など国内ベンチャー3社の買収資金約734億円。単純合計で総額1400億円弱にのぼる。

 第三者委の調査に委ねるとして高山社長は説明を避けたが、損失穴埋め用の資金は、オリンパスがケイマン諸島の複数の投資ファンドを利用して捻出していたことが8日、内部資料や関係者の証言で分かった。

 ◆国内3社過大評価

 オリンパスはファンドが保有していた3社の株式価値を過大評価し、国内3社の買収資金のうち400億円以上をファンド側に支払ったうえ、相当部分を自社に還流させていたとみられる。ジャイラスの買収でもケイマンの資金管理会社に支払った高額の報酬を還流させていたもようで、ペーパーカンパニーを簡単に設立できる租税回避地を利用し「裏金」を捻出していた。

 オリンパスは当初、自ら出資して立ち上げたベンチャー企業投資ファンド「GCニュービジョン・ベンチャーズ」を通じて3社の株式を購入。2007年にはGCとの契約を解消し、08年春から自ら株式を取得し始めた。

 取得先は「ダイナミック・ドラコンII」「ネオ・ストラテジック・ベンチャー」などケイマンの投資ファンドが中心。ファンドはいずれも09年までに解散した。当初はGCから資金を還流させ、その後は資金の流れを隠しやすいケイマンのファンドに切り替えた可能性がある。

 3社買収の際の「企業価値算定書」では、3社の売上高が08年度の計54億円から12年度には16倍の計885億円に増えることを前提に、高額の買収額をはじき出していた。実際には11年度で65億円の見通し。オリンパスは3社の株式をめぐり、買収額の76%にも当たる約557億円の減損処理を迫られた。

 一方、ジャイラス買収では、米国にある助言会社のアクシーズ・アメリカとケイマン諸島の資金管理会社「AXAM」に報酬として235億円、ジャイラスの優先株の買い取り費用として425億円を支払った。

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 日本航空は8日、2012年3月期連結決算の営業利益見通しについて、昨年11月に認可された更生計画で目標としていた757億円から、1400億円に上方修正した、と発表した。不採算路線からの撤退や機材小型化といったリストラ策が奏功しており、来年度中の株式再上場に向けた収益構造が整いつつある。ただ、タイの洪水被害や欧州債務問題などの懸念材料が計画に水を差す恐れも出てきた。

 「どんな経済状況でも確実に利益をあげられる企業を構築していく」。日航の大西賢社長は同日の決算会見で、昨年2月以降進めてきた経営改革を今後も推進する考えを示した。

 この日発表した11年9月中間連結決算は、営業利益が1061億円と、通期目標だった757億円をすでに上回った。東日本大震災に伴う需要激減で4月は営業赤字に陥ったが、5月からは黒字に転換した。

 黒字化を牽引(けんいん)したのは、座席供給数を3割程度削減するなど利用状況に合った運航計画を立て、収益率を高めたこと。復興需要のあった震災被災地などに臨時便を飛ばすなど、きめ細かく対応して搭乗率を高めたほか、割安運賃の設定などで夏休みの観光需要を取り込んだ。

 中間期の売上高は5998億円でライバルの全日空の7048億円を下回ったものの、営業利益では日航が約500億円上回り、収益体質の強化を裏付けた。

 今期見通しの上方修正について、日航の稲盛和夫会長は「再生したJALの実力を示そうと頑張ってきた」と指摘。大西社長も「早い時期に上場したい」と述べた。下期以降もコスト削減を継続するほか、震災からの回復が遅れている海外利用客の需要喚起策として割安運賃の設定などを検討する。

 ただ、先行きには暗雲も立ちこめる。タイの洪水被害による利用者などの減少は、10月半ばから十数億円の減収要因。さらに、欧州債務問題に伴う世界景気の下ぶれで客単価の高いビジネス客が減少する可能性もあり、さらなるコスト削減努力が求められている。(中村智隆)

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